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モリスの妻

ロセッティ 『プロセルピナ』 1874年
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プロセルピナはローマ神話の女神。ギリシャ神話ではペルセポネと呼ばれる。
冥界の果物ザクロを口にしたため冥界の王の花嫁となる。
その結果、一年の半分を冥界で半分を地上で暮らすこととなる。

ヴィクトリア時代の画壇に新風を巻き起こしたのが「ラファエロ前派兄弟団」である。
ラファエロの描く形式的で優美な絵ではなく、
ラファエロ以前の初期イタリアルネッサンス絵画に戻ろうとする運動だった。

ラファエロ前派のメンバーの好みは、
社会的階級が低く充分な教育を受けていない娘を街で拾い、
立派なレディに育て上げて結婚するという傾向があった。
いわゆるピグマリオンコンプレックスである。
事実『マイ・フェア・レディ』の原作『ピグマリオン』を書いたバーナード・ショーも
ラファエロ前派と交流があった。




★ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 
1828-1882 54歳没

この絵のモデル ジェーン・バーデンはラファエロ前派の画家ロセッティに見いだされた。
当時の美女とは小柄で丸顔明るく可愛らしい女性のことだった。
しかしジェーンはまったく逆の容姿をしていた。
ギリシャ風の顔、大柄な身体、大きな手、コンプレックスの塊であったが
ロセッティが美しいと褒め称えた。
物憂げな眼差し、官能的な唇、燃えるような髪。
19世紀のイギリスでは長い髪は女性の罪の象徴だとされ、
人前で髪をほどくことは許されなかった。
やがて彼女は美貌のモデルとして有名になる。

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■ウィリアム・モリス 
1834-1896 62歳没

そして「モダンデザインの父」と言われるウィリアム・モリスの妻となる。
ジェーンの結婚後もロセッティは彼女をモデルに絵を描き続けた。
ジェーンとロセッティは不倫関係にあった。
関係を知ったモリスは、妻を失いたくなかったため取り決めをした。
一年の半分をモリスと、半分をロセッティを過ごすというものだった。
この三角関係はロセッティの死によって終わるが、
モリスは二人を非難する言葉を一切残していない。

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◆ジェーン・バーデン 
1839-1914 75歳没

彼女は無口な女性だった。
それが彼女をいっそうミステリアスに見せていたのだが、
実は教育を受けてないこと、発音が上品でないことがジェーンを無口にさせていたのだ。
二人の娘を生んだが、彼女は夫を愛したことはなかったと友人に語っている。

もし彼女が同じ階級の男性と結婚していたら、笑顔とおしゃべりを見せていたのだろうか。

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by wMUGIw | 2014-01-03 00:00 | 近代
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