直球感想文 別館

2017年 更新中
by wMUGIw
カテゴリ
古代
中世
近世
近代
現代
その他
以前の記事

カテゴリ:近代( 16 )

ミレイの妻

◆ユーミフィア/エフィ・グレイ 
1828-1897 69歳没

c0297671_2471978.jpg

c0297671_247334.jpg





■前夫 ジョン・ラスキン 
1819-1900 81歳没

c0297671_2474849.jpg





■後夫 ジョン・エヴァレット・ミレー 
1829-1896 67歳没

ユーフィミアは離婚訴訟を起こした。
しかし、ヴィクトリア時代の社会はユーフィミアを非難した。
一大スキャンダルとなったが、なんとか離婚が成立した。
そしてミレーとユーフィミアは結婚する。
そして8人もの子供が生まれた。

ラスキンの方は、39歳の時に10歳の少女に求婚したりした。

ちなみにラスキンはオックスフォードの教授だった時、
同僚のルイス・キャロルと親しかったそうだ。
類は友を呼ぶ…

c0297671_248323.jpg

c0297671_2481285.jpg

[PR]
by wMUGIw | 2015-03-05 00:00 | 近代

カミーユ・クロデール

◆カミーユ・クロデール 
1864-1943 79歳没

カミーユは彫刻家ロダンの弟子だった。カミーユ19歳、ロダン42歳。
やがて二人は愛し合うようになるが、
ロダンには内縁の妻ローズがいたため三角関係となる。
この三角関係は15年続いた。

ロダンはどちらかを選ぶことができなかった。
カミーユが妊娠し中絶したのをきっかけに二人の関係は破綻し、ロダンは妻の元へ帰った。

c0297671_2421326.jpg

c0297671_2422771.jpg

カミーユ・クローデル 『分別盛り』 1913年 
妻を思わせる老婆に寄り添われ、カミーユを思わせる女を振り切る男の姿
c0297671_2423995.jpg



ロダンの弟子だった頃、彼女は自分自身の作品を作らなかった。
すべてをロダンの作品につぎ込んだのだ。
ゆえに当時のロダンの作品は共作と呼ばれるものなのだが、
もちろんロダンはそんなことは言わない。

独り立ちしたカミーユを待っていたのは、
何を作ってもロダンの物真似と思われることだった。


カミーユ・クローデル 『シャクンタラー』 1905年 
c0297671_2425892.jpg


ロダン 『永遠の偶像』 1889年
c0297671_2431039.jpg



やがて彼女は精神を蝕まれ40代で発狂する。
そして精神病院から出ることなく78歳で亡くなった。

精神を病んでからのカミーユは多くの作品を破壊した。
そして「ロダンが私のアイディアを盗みに来る」というのが口癖だったという。
[PR]
by wMUGIw | 2015-03-04 00:00 | 近代

モリスの妻

ロセッティ 『プロセルピナ』 1874年
c0297671_2355489.jpg


プロセルピナはローマ神話の女神。ギリシャ神話ではペルセポネと呼ばれる。
冥界の果物ザクロを口にしたため冥界の王の花嫁となる。
その結果、一年の半分を冥界で半分を地上で暮らすこととなる。

ヴィクトリア時代の画壇に新風を巻き起こしたのが「ラファエロ前派兄弟団」である。
ラファエロの描く形式的で優美な絵ではなく、
ラファエロ以前の初期イタリアルネッサンス絵画に戻ろうとする運動だった。

ラファエロ前派のメンバーの好みは、
社会的階級が低く充分な教育を受けていない娘を街で拾い、
立派なレディに育て上げて結婚するという傾向があった。
いわゆるピグマリオンコンプレックスである。
事実『マイ・フェア・レディ』の原作『ピグマリオン』を書いたバーナード・ショーも
ラファエロ前派と交流があった。




★ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 
1828-1882 54歳没

この絵のモデル ジェーン・バーデンはラファエロ前派の画家ロセッティに見いだされた。
当時の美女とは小柄で丸顔明るく可愛らしい女性のことだった。
しかしジェーンはまったく逆の容姿をしていた。
ギリシャ風の顔、大柄な身体、大きな手、コンプレックスの塊であったが
ロセッティが美しいと褒め称えた。
物憂げな眼差し、官能的な唇、燃えるような髪。
19世紀のイギリスでは長い髪は女性の罪の象徴だとされ、
人前で髪をほどくことは許されなかった。
やがて彼女は美貌のモデルとして有名になる。

c0297671_2361446.jpg





■ウィリアム・モリス 
1834-1896 62歳没

そして「モダンデザインの父」と言われるウィリアム・モリスの妻となる。
ジェーンの結婚後もロセッティは彼女をモデルに絵を描き続けた。
ジェーンとロセッティは不倫関係にあった。
関係を知ったモリスは、妻を失いたくなかったため取り決めをした。
一年の半分をモリスと、半分をロセッティを過ごすというものだった。
この三角関係はロセッティの死によって終わるが、
モリスは二人を非難する言葉を一切残していない。

c0297671_2363332.jpg





◆ジェーン・バーデン 
1839-1914 75歳没

彼女は無口な女性だった。
それが彼女をいっそうミステリアスに見せていたのだが、
実は教育を受けてないこと、発音が上品でないことがジェーンを無口にさせていたのだ。
二人の娘を生んだが、彼女は夫を愛したことはなかったと友人に語っている。

もし彼女が同じ階級の男性と結婚していたら、笑顔とおしゃべりを見せていたのだろうか。

c0297671_2365536.jpg
c0297671_237320.jpg

c0297671_2371462.jpg

[PR]
by wMUGIw | 2015-03-03 00:00 | 近代

アルマ・マーラー

◆アルマ・マーラー 
1879-1964 85歳没

父親は裕福な画家で、両親のサロンには様々な芸術家が集まった。
アルマはその芸術家たちのミューズであった。

c0297671_291161.jpg

c0297671_292319.jpg





★初恋の人 画家グスタフ・クリムト
1862-1918 56歳没

c0297671_210342.jpg




■最初の夫 作曲家グスタフ・マーラー
1860-1911 51歳没

c0297671_2101424.jpg





★恋人 画家オスカー・ココシュカ
1886-1980 94歳没

c0297671_2123266.jpg





■2番目の夫 建築家ヴァルター・グロピウス
1883-1969 86歳没

マーラーとの夫婦仲が冷え切っていたアルマはグロピウスから求婚される。
焦ったマーラーはフロイトの診察を受けたりして関係修復に努めるも急死、
未亡人となったアルマはグロピウスやココシュカを含め男性遍歴を重ねていく。
そしてグロピウスを選んで再婚した。

c0297671_2103318.jpg





■3番目の夫 小説家・劇作家フランツ・ヴェルフェル
1890-1945 55歳没

アルマはヴェルフェルと再々婚した。
アルマの70歳の誕生日にココシュカからの電報が届いた。
「愛しいアルマ。僕たちは永遠に結ばれている」

c0297671_2114198.jpg

[PR]
by wMUGIw | 2015-03-01 00:00 | 近代

油絵と旅する男

ゲインバラ 『デボンシャー公爵夫人ジョルジアーナ』 1787年
c0297671_21454.jpg



1876年、オークションにかけられたこの絵は、ある画廊に落札される。
しかし何者かがこの絵を画廊から盗んだ。
犯人はアダム・ワース。列車強盗や銀行強盗の常習犯だった。
しかし、この絵を盗んだ後、彼の消息はプッツリ途絶える。

16年後、列車強盗に失敗したワースは逮捕される。
彼はこの絵について口を割らず、7年の刑に服した。
それから2年後、死期を悟ったワースは、この絵を持ち主に返した。

彼はこの絵の夫人に恋をしてしまったのだ。彼はこの絵を肌身離さず持ち歩いていた。
「私の25年は公爵夫人との駆け落ちだった」
ワースの最期の言葉だった。
[PR]
by wMUGIw | 2015-02-02 00:00 | 近代

メイドとジェントルマンの恋

ヴィクトリア時代にメイドとジェントルマンが結婚したケースがあった。
これだけ聞くとロマンスだが、この二人には裏があった。
裏というより奥行きかもしれない。
身分違いの恋、マニア、フェチ、覗き、SM、コスプレ、トランスジェンダー…
二人の関係には様々な要素が含まれている。


◆アーサー・ジョセフ・マンビー 
1828-1910 82歳没
c0297671_1561531.jpg



アーサーはアッパー・ミドル・クラスに生まれ、ケンブリッジ大学を卒業して法廷弁護士となった。
二十代の頃から、趣味として女性労働者の生活や写真を収集していた。
当時蔑まれていた女性労働者に尋常ではない関心を抱き、
彼女たちの労働内容、服装、人格を毎日執拗に記録していた。
労働者階級の女たちを観察したいという欲求のためだけにフランスに出かけたこともあった。
街で女性に気安く話しかけるという習慣が災いして、
切り裂きジャックの疑いをかけられたこともあった。
この趣味は家族も友人も誰一人知る者はなかった。


◆ハナ・カルウィック 
1833–1909 76歳没
c0297671_1563549.jpg



ある日、アーサーは黒いボンネットを被った長身で姿勢の良い女性を見かけ話しかけた。
彼女の名はハナ・カルウィック、8歳からメイドとして働いてきた女性だ。
アーサー25歳、ハナ20歳の時のことだった。

二人はアーサーの部屋で秘密の時間を過ごすようになる。
しかしこれは大変危険なことだった。
当時、身分違いの恋愛は、アーサーにとってもハナにとっても、
解雇されても当然のタブーだったのである。
しかし、二人は密室でファンタジーを楽しんだ。

ハナは外出着ではなく汚れた雑役女中の服を着て、
彼の足もとに跪いてブーツを舌できれいにした。
ハナがいろいろな女性や男性に扮したコスプレ写真も撮っている。
ハナがアーサーを持ち上げて部屋を歩き回ったりもした。
ハナは手首に奴隷のバンドを巻き、首には鍵付きの首輪をしていた。
二人は一緒のときは部屋でプレイし、離れている時には日記でプレイをした。
時には、アーサーは勤め先でハナが玄関回りを四つんばいになって掃除しているところを
見に来たりした。


メイド
c0297671_1564936.jpg


貴婦人
c0297671_157844.jpg


男装
c0297671_1571969.jpg


煙突掃除夫
c0297671_1572980.jpg


聖女
c0297671_1573852.jpg


アーサーはこうした携帯型アルバムの左右に
ハナの対照的な写真を入れて持ち歩いていた
c0297671_1575068.jpg

c0297671_158064.jpg



19年後二人は、アーサー44歳、ハナ39歳の時に結婚したが、ハナは乗り気ではなかった。
秘密の結婚式を挙げ、フランスでのハネムーンから戻ると、
ハナは貴婦人のドレスを脱ぎ再びメイドを続けた。
それはアーサーの希望でもあった。

後に一時同居したこともあったが、うまくいかなかった。
ファンタジーと日常生活の両立が難しかったのだろう。
ハナは田舎に移った。
お互いに行き来はあったが、生涯別居のままであった。
二人の関係は死が二人を分かつまで50年に及んだ。


c0297671_1591592.jpg

[PR]
by wMUGIw | 2015-02-01 00:00 | 近代


お気に入りブログ
検索
記事ランキング
その他のジャンル