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パストン家の書簡集 その4

◆ジョン・パストン2世
先代の子
1442-1479 37歳没 未婚

*エドワード4世王妃エリザベス・ウッドヴィルのイトコである
宮廷女官アン・ホートと婚約するが、ずるずると延びた後に婚約破棄する。

*26歳の時に婚約して36歳でローマ教皇に破棄が認められるまで、
長い年月と莫大な費用がかかった。
結果、ジョン2世は結婚の機会を逃してしまう。


●庶子 コンスタンス





ロンドンで貴族に仕えていた長男ジョン2世は、
エドワード4世王妃エリザベス・ウッドヴィルのイトコである
女官アン・ホートと勝手に婚約する。


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母マーガレットから息子ジョン2世への手紙 1469年04月

あなたの婚約について詳しくは知りません。
でも本当に婚約したのだったら、
あなたが喜びと尊敬を得られるように神様に祈ります。
あなたが言う通りの素晴らしいお嬢様なら、
きっとその両方を与えてくれるでしょう。
神の前では
あなたはすでに結婚しているのと変わらぬ義務を相手に負っているのですから、
妻に対するのとおなじようにあらゆる点で彼女に忠実に振る舞わねばなりません。
ただし収入の道がもっと確かになるまでは、急いで結婚しない方がいいと思います。
どんなに費用がかかるか知っているでしょう。
費用を賄えないとなると、大問題になります。
ですから地所を手に入れられるように努力して、
自分の物として確保してから結婚するようにすべきです。
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また二女マージョリーも、使用人リチャード・コールと秘密結婚をする。
マージョリーは20歳、コールは30代前半であった。
コールは使用人のトップである家令で、
15年以上パストン家に仕えている優秀な右腕であった。


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リチャード・コールからマージョリーへのラブレター 1469年

私の愛しいお嬢様、そして神の御前では妻であるあなたに、
深い悲しみにあふれる心で御挨拶します。
二人の間に交わされた結婚という強い絆を考えると、
私達が今送っている生活は神様や世間を喜ばせるものではありません。
一緒に暮らす権利のある私達が、もっとも離れているのですから。
最後にあなたと言葉を交わしてから1千年も経ったように思います。
全能の神が二人の愛情を祝福して下さるならば、
速やかに私達に安らぎを与えて下さるように祈っています。
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母マーガレットから息子ジョン2世への手紙 1469年09月10日

先週の木曜日お義母様と私はノリッジの司教様を訪問すると、
司教様は、マージョリーを尋問するよう何度も依頼されているので
これ以上引き延ばすわけにはいかない、
そして翌日必ずマージョリーを連れてこないと
あなたたちは教会から破門されるとはっきりおっしゃいました。
私はきっぱりと
「娘を連れてくるつもりもないし、一人で来させるつもりもない」と返事しました。
「それなら迎えを寄こすから必ず娘の外出を許すように」と命じられました。

金曜日に司教様は迎えの者を寄こされました。
司教様はマージョリーにとても率直に語りかけ、
彼女の生まれと親戚や友人のことを思い、彼らの忠告に従えば得るものが大きいが、
それに背けば不名誉と恥辱と損失をこうむることになると話して下さいました。
また彼女は彼らから捨てられることによって、
得られるはずの善意も助けも慰めも失ってしまうと説いて下さいました。
さらに司教様は「周囲の人々の意に添わない人物を愛しているそうだが、
相手にどんなことを言ったのか話しなさい。
結婚が成立しているかどうか判断するから」とお尋ねになりました。
そこで彼女は彼に誓った言葉を繰り返しました。
大胆にも、この言葉で不十分ならもっとはっきり誓いますとまで言いました。
このふしだらな言動は、お義母様と私を深く悲しませました。
すると司教様も、「それでは家族も友人達もあなたを受け入れてはくれないだろう」と言ってくださいました。
次にコールが呼ばれ、
彼女の言葉、彼の同意の言葉、それが行われた時間と場所を尋問されました。
間違いがないことが確認されると、
司教様は「他に何か結婚を防ぐ方法があるかもしれない。結論を急がずに保留する」
とおっしゃいました。

私は召使に「娘を家に入れてはならぬ」と命じました。
さらに「娘が訪ねてきても家に入れないで下さい」と
2,3人の所にも使いを走らせました。
そこで司教様は
彼女を判決の日までロジャー・ベストの邸宅に泊まれるよう手配されました。
お二人が厄介者を背負い込むことになって気の毒に思いますが、
彼女がしばらくそこに滞在する方が私には好都合です。

あまり深く悲しまないで下さい。
あなたの心が深く傷ついているのはよくわかっています。
それは私や他の者も同じ気持ちです。
でもあの子はもううちの娘ではないのです。
ふしだら者を失ったに過ぎないと考えましょう。
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司教はマージャリーとコールの言い分を認め、
10月二人はようやく正式に結婚ができた。
夫妻は3人の息子をもうけた。

コールは家令であったが、家令・管財人・金庫係・使用人の監督という
通常4人は必要な仕事を一人でこなす優秀な使用人であったため、
一度はパストン家から解雇されたものの、呼び戻され長くパストン家に仕えた。


二女のアンも使用人パンピングと恋をしていた。
コールと同じく15年間パストン家に仕えた信頼できる使用人だった。
しかしマージョリーの二の舞を恐れた家族は、
パンピングを転職させることで危険を回避した。
アンは22歳の時に、紳士階級のウィリアム・イェルヴァートンと結婚する。


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by wMUGIw | 2012-01-04 00:00 | 中世
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